年金には、家族を養っている場合に上乗せされる「家族手当」のような仕組みがあります。それが「配偶者加給年金」です。
しかし、この加算を受けるには「いつの時点で配偶者がいるか」「配偶者の年収はいくらか」など、細かい要件をクリアする必要があります。今回は、老齢厚生年金と障害厚生年金、それぞれの加算条件を整理して解説します。
1. 配偶者加給年金が加算される基本条件
まず共通の前提として、対象となる配偶者が「自身の老齢厚生年金(被保険者期間20年以上)や障害年金」を受給していないことが条件となります。
2. 老齢厚生年金に加算される場合
加算額:234,800円(令和6年度・年額)
※受給者の生年月日により、さらに「特別加算」がつく場合があります。
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本人の要件: 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あること(中高齢者の特例を含む)。
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配偶者の要件: 65歳到達時点(または定額部分の支給開始時点)で、本人に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいること。
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生計維持の基準: 同居(または別居でも仕送りがある等)しており、配偶者の前年の年収が850万円未満(所得655.5万円未満)であること。かつ、この状態が将来(概ね5年以上)にわたって続くと認められる必要があります。
3. 障害厚生年金(1級・2級)に加算される場合
加算額:234,800円(令和6年度・年額)
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加算のタイミング:
1) 障害年金の受給権発生時にすでに配偶者がいる場合。
2) 平成23年4月1日以降に、結婚や再婚によって配偶者を有することになった場合(届出により、その時点から加算が始まります)。
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配偶者の要件: 本人に生計を維持されている65歳未満の配偶者であること。
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生計維持の基準: 老齢厚生年金と異なり、恒常的に年収850万円未満であることが条件です。
⚠️ 「離婚・再婚」による受給の可否
ここが重要なポイントです。老齢と障害では、再婚のタイミングによって受給可否が分かれます。
区分 |
加算されるタイミングのルール |
老齢厚生年金 |
「受給権が発生した時点(通常65歳)」に配偶者がいる必要があります。65歳を過ぎてから再婚しても、原則として加給年金はつきません。
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障害厚生年金 |
「受給権が発生した後」の結婚・再婚でも、届出をすることで加算の対象となります。
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