日本で働く外国籍の方は、国籍や性別にかかわらず、原則として全員が日本の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することになっています。
しかし、数年で母国へ帰国する場合、日本の年金を受け取るために必要な「10年間の加入期間」を満たせないケースが多く、保険料が「掛け捨て」になってしまうという問題がありました。
これを防ぐための制度が「脱退一時金」です。
1.「脱退一時金」を受け取れるのはどんな人?
以下の条件をすべて満たす場合、請求することでこれまでに納めた保険料の一部が戻ってきます。
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日本国籍を有していないこと
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公的年金(国民年金・厚生年金)の加入期間が合計「6ヶ月以上」あること
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老齢年金の受給権(原則10年の加入)を満たしていないこと
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日本に住所を有していないこと(帰国していること)
⚠️【社会保障協定について】 日本と社会保障協定を結んでいる国(アメリカ、ドイツなど)の方は、日本での年金加入期間を母国の年金加入期間に合算できる場合があります。一時金をもらうと日本の期間が消えてしまうため、どちらが有利か慎重な判断が必要です。
2.支給額の上限が「5年(60ヶ月)」に拡大されました
これまでは「36ヶ月(3年)」が上限でしたが、近年の法改正により、現在は最大「60ヶ月(5年)」分まで受け取ることが可能です。
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2021年3月以前に資格喪失した場合: 最大36ヶ月
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2021年4月以降に資格喪失した場合: 最大60ヶ月
長期で滞在し、しっかりと貢献していただいた方が、より多くの還付を受けられるようになっています。
3.手続きのタイミング:出国前でも可能に!
以前は「日本を出国してから2年以内」に郵送等で手続きするのが原則でしたが、現在はルールが緩和されています。
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以前: 出国後に海外から請求
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現在: 市役所などに「転出届(転出予定)」を提出していれば、日本にいるうちに出国前の手続きが可能になりました。
これにより、帰国直前のバタバタや、海外からの慣れない書類郵送の手間を軽減できるようになっています。
4.まとめ
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6ヶ月以上働いて帰国するなら、脱退一時金のチェックを忘れずに!
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上限は5年分(60ヶ月)まで拡大。
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「出国前」から手続きの準備ができる。
せっかく納めた保険料ですから、制度を正しく理解して活用したいですね。